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スライド作成にセンスは不要!① 伝わるスライド4つの「型」

「スライドなんてセンスでしょ」

「デザインなんて分からないし…」

いえいえ、大丈夫!

スライド作成はアートではありませんので、センスは必要ありません。

「伝わる」スライドは理論的に作れます。

①前半、②後半、の2回に渡ってスライド作成のコツをお伝えします。

 

スライド作成にセンスは不要!伝える技術を磨くコツ

最初に断言しますが、スライド作りにセンスは不要です。

伝える技術というのはすでに方法が決まっており、オリジナリティは必要ありません。

 

プレゼンで最も重要なことは、読み手を想像し、「伝えること」です。

独りよがりの独演会ではなく、丁寧に分かりやすく情報を共有することです。

そして、その方法は先人たちが十分に研究してくれています。

根拠と実績に裏付けされた伝える技術を学べば、誰でも「伝わる」プレゼンができるのです。

 

と言っても全ての技術を伝えるのは大変なので、

プレゼンに関する著書と自身の経験から導き出したスライドの黄金パターンのうち、特に研究発表に適した4つの「型」を厳選してご紹介します。

内容に合った「型」を選ぶだけで伝わるスライドが作成できますので、ゼロからデザインする必要はなくなります。

それでは、スライドの基本的な構図パターンについて学んでいきましょう。

 

注目して欲しい情報の配置!聴衆の視点を自由自在に操る方法

プレゼンで話している時に、聴衆がどこを見ているか意識したことはありますか?

「そんな余裕ない!」という声が聞こえてきそうですが、スライドの構図を考える際に聴衆の視点は非常に重要です。

例えば、自分が一生懸命説明している時、聴衆が説明している箇所と全く違うところをみていたら内容は伝わらないですよね…。

 

見て欲しいタイミングで、見て欲しい場所に注目させる。

聴衆の視点の動きを知れば、そんな神業が可能になるのです。

 

説明するよりデータを見てみましょう。

アイトラッキング・ヒートマップといって、聴衆の視点がどこに集中しているのかを計測し、視覚化した実験があります。

図の直下、文章の左上に視点が集中していることが分かります。

 

この結果の注目すべき点は、左上が注目されていると同時に、下に、右になるほど視線を集めにくい、ということです。

これは、視点の移動量が増えると、読むのをやめている、ということを意味しています。

つまり、文章や箇条書きにした時点で、そもそも下のほうのコンテンツは読まれない可能性が高いのです。

 

今度は視点を追跡してみましょう。

 

アイトラッキング・ヒートマップの結果同様に、各パラグラフの左上に視線が集中しています。

そして、その後の視線は、右、左下、また右、というようにZ, もしくはFのアルファベットに沿って移動していることが分かります。
F-Shaped Pattern of Reading on the Web: Misunderstood, But Still Relevant (Even on Mobile) より抜粋。

 

ヒトの視点は、左から右、上から下に流れる、という法則があります。

これは、普段読んでいるテキストに依存するのですが、サイエンスの分野では英語が強いので、学会発表ではほとんどの聴衆がここに当てはまります。

 

よって、スライドのデザインは、左から右上から下を大前提として、

ZとFの視線移動に沿ったレイアウト(左上⇒右上⇒左下⇒右下)で構図をデザインすれば、聴衆の視線をコントロールできます。

ちなみに、新聞など縦書きの日本語の場合、視点移動はN(右上⇒右下⇒左上⇒左下)となります。

 

これを踏まえ、具体的な構図パターンに落とし込んでいきましょう!

 

スライド内容ごとに最適な構図パターンを覚えよう

研究発表のスライド内容は、ざっくり分けると以下の4つに分類できます。

まずは、何を伝えたいか、メッセージの属性を考えてスライドを分類してみましょう。

  • 論理展開
    ⇒研究対象(登場人物)の関係性
  • 場所
    ⇒研究対象(現象)の分布や発生箇所
  • プロセス
    ⇒段階や時間を経て変化するもの
  • 並列(横配置)と順序(縦配置)
    ⇒同列に並べるものと変化していくものの表し方

 

論理展開

まずはシンプルなところから。

シンプルで分かりやすいので、コンセプトや実験概要の説明に適しています。

「○○○を△△△細胞に作用させた」という内容ですが、説明文と図の内容が同じであれば説明文は不要です。

 

次に、登場人物(物質)同士が相互作用する場合。

研究の全体像を説明するのに適しているため、導入部やまとめスライドでよく使われます。

これは物質だけではなく現象の説明にも応用できます。

研究が複雑になれば登場する物質や現象も増えるので全て示したくなりますが、

そうすると複雑になりすぎるので、いかに必要最低限までシンプルにする、それが腕の見せ所です。

 

自分の場合は、研究概要を初めのスライド1枚で説明するようにしていました。

 

作用と相互作用(この場合は結果)を組み合わせたパターン。

実験や検証の結果を説明するのはこのスライドです。

作用と結果の関係が一目瞭然、理路整然と説明しましょう。

 

場所

次に前述の現象がいつ、どこで生じているのかを示すスライドを準備しましょう。

ヒトや動物のシルエットを用いることで、研究意義を訴求しやすくなります。

自分の場合は感染症やがんの研究に携わっていたので、このようなスライドをよく使用していました。

 

現象の場所を示したスライドは、基礎研究にリアリティを与える役割があります。

特に、ヒトをシルエットにした場合、聞いている人は自分を重ねることで聞き入るようになりますし、医学的な重要性をイメージさせることができます。

細胞しか使用していない実験でも、生物のどこで生じる現象なのかを意識して実験することで、

実験条件の設定や考察の際、いろんな可能性を想定した考え方ができるようになります。

 

ヒトと同様に、こちらも研究のリアリティを伝えるのに効果的なスライドです。

こういう構図を使用する場合のポイントは、協調したい部分のみカラーにし、他を全てグレーなどの無彩色に統一するということです。

協調も凝った修飾は不要で、ただ一色使用するだけで十分伝わります。

 

ただし、黄色やオレンジ、蛍光色など単体で見えにくい色は、視認性の観点より使用には注意してください。

 

プロセス

最後に時系列の変化についてです。

基本的には、左から右へ一直線で表現します。

進捗や実験の概要、結果のまとめにも使える便利な構図です。

 

季節や生活環など繰り返しが前提なものは、直線ではなく円を用いた表現が適しています。

ぐるぐる回るイメージですね。

免疫系の細胞分化や微生物の生活環などでよく用いられます。

 

少しイレギュラーかもしれませんが、進化や分化など、変化が階層構造になっている場合は、下から上に矢印を進めるのも効果的です。

これはグラフでの表現に近いと考えると分かりやすいのですが、右に行くにつれてフェーズが進み、数値が上昇していく Y=aX のイメージですね。

 

並列(横配置)と順序(縦配置)

複数の物事について説明したいとき、関係性に応じた配置を意識することで、より伝わりやすくなります。

関係性が並列、つまり選択肢や候補などを羅列する場合は横配置を使用します。

例えば、中華屋のメニューなどは横並びが多いですよね。

醤油ラーメンと担々麺に、順番も上下関係もないのです。

 

一方、縦に並べると上から順番に見ていくので、内容も上から下に向かって進んでいるように錯覚します。

これはマンガ本の目次などが馴染み深いですね。

このように、内容と構図はパターン化できます。これを使い倒すことで、あなたのスライドは劇的に見やすく、伝わりやすく進化します。

 

まとめ

スライドは以下の「型」に当てはめて、簡単に作成できます!

基本はZとFの視線移動に沿ったレイアウト(左上⇒右上⇒左下⇒右下)で構図をデザインすること。

  • 論理展開
    ⇒研究対象(登場人物)の関係性
  • 場所
    ⇒研究対象(現象)の分布や発生箇所
  • プロセス
    ⇒段階や時間を経て変化するもの
  • 並列(横配置)と順序(縦配置) 
    ⇒同列に並べるものと変化していくものの表し方

後半は色とイメージについてです。

スライド作成にセンスは不要!②色イメージを理解しよう