自分の発表に質問が来ない人、聴衆に寝ている人が多い人は、
もしかしたらスライドが分かりづらいのかも。
プレゼンの基礎となる「伝わる」を改めて見直したいあなたにおすすめの記事です。
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こんにちは、かめさんです。
せっかく頑張って準備したプレゼンでも、聞いている人に伝わらなければただの「独り言」です。
内容を理解してもらい、フィードバックをもらうためにも、
自分の考えや頑張ってきた実験内容をしっかり伝えたいですよね。
最前列の人が寝てる…なんて悲しいです。
そこで使って欲しいテクニックがイラストレーションです。
イラストレーション、つまり文章を図で表現することです。
百聞は一見に如かず、これこそ見てもらった方が分かりやすいですね。
この記事を書いているのが12月だったので、サンタクロースを3種類のスライドで説明します。
まずは、文章だけで説明したバージョン。
「常に笑顔の、赤い服を着た太り気味の老人の男」ってヤバくないですか?通報されるレベル。
その前にこれ、読みたいと思いますか?
次に、箇条書きバージョン。
前述の文章のみより「マシ」な程度ですね。
これ、結構やりがちな人が多いんですが、箇条書きも結局は情報が文字だけのなので、伝わるスライドとは言えません。
最後に、絵を一枚。
そうそう、サンタクロースってこんなおじさんのことでした!
なぜ、イラストレーション(ビジュアル化)することで内容が伝わるのかというと、
文章の場合、発する側と受け取る側で言葉から連想されるイメージに少なからずズレが生じるからです。
つまり、文章と絵では伝わる情報の精度に差が出る、ということです。
絵であれば、双方のイメージは同じになります。
これが、リンゴ3つや500 mLペットボトル1本などの数字が大切な場合は、ビジュアル化するまでもありません。
なぜなら、数字は人類共通の概念だからです。
結論として、
情報は読む必要のない”図”で表現すること!
言葉ではなく視覚に訴えると、一瞬で、正確に伝わる!
ちなみに竹内一郎氏のベストセラー(2005年)『人は見た目が9割』のもとになったメラビアンの法則(3Vの法則とも)では、
相手に伝わる情報は以下の割合とのこと。
ただし、こちらは様々な解釈があるので参考程度に。
プレゼンの内容を絵で伝える大切さはわかったけど、いざやるとなると「どうすればいいのか分からない!」という人も多いかと思います。
イラストレーションは難しく考えなくて大丈夫です!
始めは練習が必要ですが、何回か練習するうちに頭の中で物事を図で考えるクセがつくので、作業はどんどん早くできるようになります。
ここでは、3ステップで自分の考えを整理して図に落とし込むようにトレーニングしていきましょう。
一般に、ある事象を人に伝える(=図に落とし込む)ためには、対象に対する理解が教えられる側の3倍以上必要だと言われています。
ですので、文章のみのスライドを作る人は、自覚している以上に研究内容に対する理解度が低く、
突っ込んだ質問に対しては、しどろもどろになってしまいます。
少し厳しいことを言うと、自分の理解と伝える努力の二つを怠っているのです。
Oh…
自分の考えを他人に伝えるということが、どれほど難しいかが身に沁みますね。
でも、ここまで読み進めてこられたあなたは「伝える」ということにしっかり向き合い、
努力されていますので、もっと伝わるようにイラストレーションの3ステップをお伝えします。
そのスライドで伝えたい内容を言語化することにより頭の中を整理します。
ここで作成した文章は説明用の原稿に転用できるので一石二鳥!
キーワード同士の相互関係を矢印や簡単な図形を用いてチャート化します。
紙にざっと下書きすると考えが整理されて、作業が効率的に進みます。
コツは不要な情報や重複している内容を省き、できるだけシンプルに考えることです。
はじめは凝った図やイラストは要りません。
伝えたいことの関係によって、図解のルールや目の流れを意識し、
情報ができるだけ相手の頭にスッと入るような工夫をしましょう。
それでは具体例を見ていきます。
登場人物(物質?)と役割、ストーリー(実験および結果)、結論を簡潔にまとめます。
次に、キーワードの相関を整理し(はじめは紙に書き出すのがおすすめです)、
シンプルで完結な、余計な情報や重複している内容のない図を作成します。
すでにだいぶ分かりやすいですね。
ここまでできている人は結構います。でも、このままじゃ味気ない…
伝えたい内容が一瞬で伝わるような、イメージ➕相関を作成します。
一度に完成させるのではなく、少し時間をおいてブラッシュアップしていくことで、さらに精度の高い情報になっていきます。
実験の概要、結果が一目でわかりますね。
実際は実験結果のデータや細胞の画像に加え、分かりやすいように実験操作や動物のイラストなどを使用します。
ちなみに、動物の写真は生々しくあまり好かれない傾向があるので、イメージで問題ない場合はできるだけイラストを使用しましょう。
いくつか便利なサイトを載せておきます。
今回は、step2までは縦の図でしたが、最終形は横の図にしました。
その理由はセンスに頼るな!スライドデザインの「型」を覚えよう【前編】で詳細に説明していますが、
スライドの内容が「論理展開」に該当するためです。
つまり、実験があって結果が得られて…という一連の流れを示すには、横の図が好まれます。
一方、縦の図は「順序」など、箇条書きのようなイメージで、
上から下に、事象の進んでいく(細胞の分化など)現象が適しています。
Step 2. から Step 3. のハードルが少し高いのですが、これができている人とできていない人では、スライドの完成度に大きな差がつきます。
はじめはうまくできずにイライラしてしまうかもしれませんが、スライドはどんどんブラッシュアップされていきますので諦めずにトライしてみてください。
やり方に不安がある場合は、プレゼンのうまい人にチェックしてもらうのもいいかと思います。
科学広告らぼではスライドのコンサルも承っていますので、お気軽にご相談ください。
最短で最高のプレゼンに仕上げることをお約束します。